長時間座った後の立ち上がりで膝の内側が痛む50代の女性へ
院長のガチ考察〜立ち上がり時の膝内側の痛み編〜
本日は、「30分以上座った後に立ち上がろうとすると右膝の内側が涙が出るほど痛くすぐには歩き出せない」との訴えで来院された方が卒業するまでの経過報告をしたいと思います。
〈症例紹介〉
50代女性、マンション管理人(1日中動き回っている)
月1回の旅行が趣味
〈来院までの経過〉
職場までバス通勤。50分バスに揺られて立ち上がる瞬間に右膝の内側に激痛が走った。整形外科にてレントゲン、 MRI 検査を受けたが変形もなく特に異常がないと診断され本当の痛みの原因を知りたいと思い 当院に来院。
〈主訴〉
・立ち上がりの時に右膝の内側が痛い
・30分以上歩くとい右膝の内側が痛い
・痛みがなくなって旅行に行きたい
〈考察〉
この方は中学生時代に右膝の内側半月板損傷と内側側副靱帯損傷の怪我をしており膝関節安定性が低下していました。これにより下腿が外側方向へ捻れてしまい関節の適合性が低下していました。関節の不安定性と不適合性があることにより立ち上がり時にKnee in(膝が内側に入ってしまう)が起きてしまい、膝がのびあがる瞬間に半月板が関節に挟まれてしまい痛みが起きていると考えアプローチしました。
下腿が外旋してしまう原因は外側ハムストリングスと判断し、モビライゼーションを行ったところ下腿の外旋は減少しました。しかし、立ち上がり時の痛みは100点の痛みが80点になっただけでした。
膝関節の動きを内側と外側にわけて評価したところ、内側の関節を動かした時の半月板の滑りが悪いことがわかりました。半月板の滑りが悪い原因として
1、前方の膝蓋下脂肪体との癒着
2、内側ハムストリングスの短縮
を考えました。
なので1からアプローチした結果80点の痛みが60点ほどになりました。その後2に対してアプローチした結果60点の痛みが10点まで減りました。この結果から、この方の膝の痛みの原因は立ち上がりの際に内側ハムストリングスが短縮しているせいで半月板の前方への滑りが制限され、関節に挟まれることで膝を完全伸展することができず短縮している筋肉を無理やり立ち上がりで引き伸ばしてしまうせいで痛みが出ているとわかりました。また、内側ハムストリングスが短縮するとKnee inが著名になることからも内側ハムストリングスがキーポイントになると考えました。
1、内側ハムストリングスのモビライゼーション
2、内側ハムストリングスへの収縮訓練
3、関節内での半月板のモビライゼーション
を、メインとして施術を続けて行きました。
その結果3回施術が終わった時点で立ち上がりの痛みがなくなり、7回目で長距離歩行での痛みがなくなりました。
〈まとめ〉
今回、問診評価での考察と触診後での考察に違いがありましたがその場で治療方針を修正しアプローチすることができました。
この方のように学生時代の怪我が長年体に負担をかけ続け最終的に痛みとなって現れることがあります。特に学生の時の怪我は痛みがなくなった時点で完治したと思いがちですが体が使い方が痛みがある時と同じのまま何十年と運動を続けているとこの方のように痛みが出ることがあります。痛みがなくなったから症状が改善されたという判断ではなく、痛みが再発しない体を作ることが症状が改善されたという判断する基準になると考えています。
どこにいっても良くならない痛みがあり、学生時代に怪我をしたことがある方は私が救えるかもしれません。